hiiragi2020’s blog

日々の気づきを綴る

正直に生きる

熊本に祖母のような存在 ( 実の祖母の妹 ) がいる。

今年91歳の彼女は約10年前に病気で左半身不随となり、身体の左側が麻痺で動かない状態になった。そんな状態でも日々、希望を持ってリハビリに励んでいた。

毎日ヘルパーさんに来てもらい、週3回デイサービスを利用しながら自宅に一人で暮らしていた。

しかし今年の1月に家の中で転倒し骨折したため、そのまま入院→施設に入所した。

 

祖母は施設に入所してからもずっと 家に帰りたい と言っていた。

しかし、左半身の麻痺でまた以前のように一人で生活する事は無理なので、ケアマネージャーさんや施設の方などからこの先も施設で暮らすようにずっと説得され続けていた。

 

先日、祖母のケアマネージャーさんから電話があった。

祖母が12/10に自宅に帰ることが決まった、と。

私と母は驚いた。

えっ⁇  あの状態でどうやって一人で暮らすの⁇

以前より良くなって帰るなら分かるけど、病院→施設で体力も筋力も落ち、足元ももっとおぼつかなくなってるのに、それでも帰るっていうの⁇

 

祖母は頭がしっかりしていて記憶力もバツグンに良い。

そのため施設での暮らしがどうしても受け入れられないようで、スタッフの方とどうやらケンカしたらしい…

頑固な性格なので、一度言い出したらきかないのだ…

初めて聞いた時は、ほんとに信じられない! と思った。

 

それ以来、祖母のことをよく考える。

 

帰宅するという事は、施設を引き払ってという事なので、一度帰ってやっぱり施設に戻りたいと言ってもその後に誰かが入ってしまえば、そこにはもう戻れない。

その事も散々説明したらしい。

それでも帰ると決めたのは、祖母の相当の覚悟を感じた。

祖母は頭の良い人だから、そんな事はすでにたくさん考えただろう。

その上でどうしても自宅に帰りたいんだ。

これが、もしかしたら祖母にとって最後の帰宅になるかもしれない。

帰ってまた転倒すれば入院になってしまうから。

でも、それでも帰りたいと言う。

 

自分が帰ればまた大勢の方に動いてもらって助けてもらわないといけない。

もし、人の迷惑を考えれば、施設に留まることが最善だろうと思う。

けれど、祖母は自分が帰りたいという正直な気持ちを貫くのだ。

他人から見れば祖母のわがままにしか見えないと思うけど、私からすると、それが祖母にとっての一番の願いだし、きっと最後の挑戦になるだろうから何とか叶えてあげたいと思った。

 

人生の最後まで自分の可能性を諦めずに挑戦し続けること

これって、とんでもなく勇気のいることだと思う。

 

『 自分に正直に生きる 』

 

そのことを私にしっかり教えているような、そんな気がしてならない。

 

自分に嘘はつけない。

だから正直な気持ちで生きぬこうとする祖母の生き方はとてもカッコイイと思う。

 

たとえたくさんの方に迷惑をかけたとしても、一日でも長く祖母が自宅で過ごせますように…