hiiragi2020’s blog

日々の気づきを綴る

自分の好きを貫く

グランマ・モーゼス展が名古屋市美術館で開催中だったので、先日行ってきた。

私は今回の展示でグランマモーゼスを初めて知ったのだけど、アメリカでは有名な方らしく、ドキュメンタリー映画になっていたり、TIME誌の表紙を飾ったこともあるのだそう。

 

そもそも、何故わざわざ『 グランマ 』と付くのか?

 

それは、70代から本格的に絵を描き始めて、80歳で初個展をしたからだそうだ。

 

その年齢から絵を描くなんて、すごい!

 

グランマモーゼスの絵は自分が住む村のお祭りや結婚式などのイベントはもちろん、そこに暮らす人々の日常や風景をたくさん描いている。

定点観察のように同じ場所から見た景色を夏と冬というように2バージョンでよく描いていた。

 

グランマモーゼスの絵は、とても素朴。

一目見て、うわぁ!スゴイ!!と感動する上手さは無いけれど、なんか味があって良い!

小学生が描けてしまいそうなタッチの絵だ。

でも、なんかカワイイ…

言ってしまうと 下手可愛い! のだ。

きっと絵を描くことがとても好きなんだろうな、と思う。

 

絵の中には、その当時生きた人々の暮らしがしっかりと刻まれている。

冬の厳しさの中で見つけた蝋燭作りの楽しみとか、夏に子供たちが皆んなで遊ぶ姿、鶏を追いかける子供…

ささやかな日常が記録のように描かれている。

 

モーゼスは後に、「 失われていく文化の中で自分の絵はもしかしたら記録として必要なんじゃないかと思った 」と言っている。

 

モーゼスの絵は当時の批評家からは、素人の絵だ、と批判されてきた。

あるアマチュアの評論家がモーゼスの絵を気に入り、個展を開くのに尽力したそうだ。

 

モーゼスは人から評価されたり褒められたくて絵を描いていた訳ではない。

描いているうちに、やがてそれが自分の使命のように思うようになった。

でも、その根底にあるのは 描くことが好き ということ。

 

彼女はその"好き"をずっと続けていただけ。

自分の"好き"を貫いた結果、その下手可愛いが彼女の"個性"となって、それを好きな人々が現れ、やがて評価された。

 

私も自分の個性って何だろう?とずっと探してきたけど、それって探すものじゃなくて、自分はこれが好きだ、という気持ちを貫いていけば自然とそれが個性となるのか!と教えられた。

 

本当に良いタイミングで良い展示を観られてよかった。

お盆休み中の良い充電になった。